平成11年に農業大学校を卒業後、すぐに就農。
就農する際、父からは「土地だけはあるが、今の世の中、米づくりだけが人生ではない。思ったことをすればいい」と一言。今思えば、これが今の仕事をするきっかけとなったように思います。
就農して7年。
今日までがむしゃらに、両親のやってきたことを少しでも覚えようと作業してきましたが、昨今の農業情勢を考えると不安を感じざるを得ません。
米価の下落、集落営農、品目横断など新しい政策が次々と打ち出され、その都度自分たちがそれらに追いついていけるかが目下の心配事です。
農業を取り巻く環境は厳しいものがありますが、皆様に良いお米を提供するにはどうすればよいかを真剣に考え、日々取り組んでいます。
ところで、『有機栽培』というものを皆さんは、どうお考えでしょうか。
有機栽培 - 「化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けることを基本とし、水稲作物などの場合、最初の収穫の3年以上の間、堆肥などによる土づくりを行った圃場において生産された農産物」のこと。
要するに、化学合成農薬・化学合成肥料・除草剤等を使用しないで、農産物を生産する栽培方法です。ただ、有機栽培をすると除草剤が使えないので、どうしても草が自然に近いカタチで生えます。
悪く言えば、草ぼうぼう、と言った所でしょうか(いい意味で)。でも、これが本来の『自然』というものではないでしょうか。でも、やはり現実は違いました。
雑草だらけの圃場を見て、地域の人達はなかなか賛同してくれず、数量がまとまらないために消費者のニーズに応えることができないのが現状です。何とか有機栽培の良さを広めて、今後のより良い展開につなげたいものです。
もう1つ、販売先などのマーケティングについて。有機栽培生産者有志と父は、年に何回となく関東方面に販売先を探しに足を運び、かなり苦労しながらも4社ほどの契約栽培提携をさせて頂いております。まだまだ可能性のある有機栽培・減農薬栽培。
もっと安定して市場に良いお米を供給できるように頑張らねば、と思う今日この頃です。
こんな苦労を知ってか知らずか、自然は昔の姿を取り戻しつつあるようです。有機栽培を始めて二年目の有機認証機関の検査の夜、宿泊先の近所で綺麗な水源にしか生息しないホタルを若干数発見。
その翌年、検査後の指摘事項改善のためにグループの仲間と各自の圃場を見て回り、辺りが薄暗くなった家有機圃場や用水路に今度は20〜30匹ほどのホタルがゆったりと飛んでいるのを発見しました。ホタルは、自然な環境であれば多数発生する生き物。
有機栽培が別な方面で実を結びつつあることを知り、言い表せぬ充実感を感じたひと時でした。
「苦労は必ず報われる・・・はず」と決意を新たにした瞬間でもありました。 |